剛ちゃん

　
２０１０年１１月５日、絵本作家の佐野洋子さんが乳がんで死去した。
絵本は子供に読み聞かせる本。
子供が小さい時は川の字になって良く読んだものだ。
読み疲れると親の方が先に寝てしまうこともあった。
気に入っている本は今でもダンボールに保管している。
子供に読んで読んでとは言われなかったが、「１００万回生きた猫」もその一つ。
およそ独特な絵本である。
タイトルの「１００万」は絵本に馴染まず、挿絵はちっともほのぼのしてない。
物語の大半は無機質な語りで生きて死んでの繰り返し。
最後は愛する雌猫と過ごし子宝に恵まれたが先立たれる。
初めて悲しみ、亡骸の傍らで今度は永遠に死ぬ。
読む人の年齢や歴史で色んな感じ方があるのだろう。
初めて読んだ時はなんだかもやもやして再度ゆっくり読み返した。

子供の絵本コーナーに置くにはもったいない本である。